モントリオールの乱射事件 (2006/09/14)
「モントリオールの乱射事件」
イノさんへ
前立腺肥大の手術をしてから今日でちょうど一ヵ月。 そこで医者の所に出向いてその後のチェックをしてもらったのですが、幸い前立腺癌の兆候はなかったということで、後6ヶ月して再び診てもらうことになりました。 今月は、そのほか、特別な眼鏡が使えないものか、アイケアセンターで相談し、また月末には、緑内障の専門医のアポイントメントも控えているので、診療所通いが続きます。
僅か5才の違いながら、イノさんのダイナミックな健康とは大きな差があるので、考えさせられます。 新老人の仲間入りをしてから、急速にあちこちの故障が出ています。
昨日は、モントリオールのドーソンカレッジで乱射事件があり、18才の女子学生が死亡したほか、20人が重傷を負って、カナダ中に衝撃が走りました。 このドーソンカレッジにはうちの息子と娘も通ったことがあり、なじみの深い学校ですから他人事ではありません。
カナダでは、普通、高校までの12年間の勉強がすむと4年制の大学に進学するのですが、ケベックではちょっと違っていて、高校から一応短大に進みます。 そこで2~3年勉強して、さらに3年制の大学教育が待っています。 制度的には日本の昔の旧制高校か専門学校に相当するでしょうか。 といっても昔の旧制高校のような天下御免の特殊なエリート文化は存在しません。
ドーソンカレッジは、モントリオールの繁華街と住宅街の境にあって、学生数は1万近く。 ケベック州では最も大きい英語系のジュニアー・カレッジです。
ケベックでは、他の州から来た学生は、フランス語系の学校で学ぶのが建前ですが、特に我々のような移民は、英語系の公立の学校に入ることは許されないのがきまりです。 うちの子供達は、バンクーバーからモントリオールに移った時は既に高校に入っていたので、どうにか抜け穴をくぐり抜け、英語系の学校に編入することができたのは、ラッキーでした。 いや、あるいはフランス語を習得するチャンスを失ったわけですから、不運というべきか。 よくわかりません。
モントリオールでは、17年前も、、フランス語系のモントリオール大学の工学部で女子学生射殺事件があり、14人の女性が犠牲になりました。 犯人は女性の社会進出を憎む、アンチフェミニズムに執りつかれた男で、14人を次々に殺した後、その場で自殺しました。 鉛色の冬空の凍てつくような寒い日のことでした。
その事件の生々しい記憶が消えないうちに、再びモントリオールで今度の事件が繰り返されたのですが、今日のハーパー首相は、銃砲取締りについては沈黙を守っています。 地方に地盤をもつ保守党政権は、前の自由党が採択した銃砲登録制度を無意味な無駄遣いとして非難し、今秋には廃止しようとしています。 そして「銃による犯罪には厳罰をもって対処すればよい」というのが、ハーパーの答です。 しかし昨日の乱射事件で、世論はどう流れていくでしょうか。 犯人は合法的に登録された銃を使ったわけですから。
今回の犯人はビデオゲームに熱中していたという話ですが、ビデオゲームの業界は反撥しています。 「日本を見よ。 ビデオゲームの最も発達している日本では犯罪が少ないではないか」というわけです。 とんだところで日本が引き合いに出されましたが、イノさんがかねてから心配しておられるビデオゲームの影響は、ここでも無視できませんね。 それにしても日本の徹底した銃砲取締りのあり方には、アメリカもカナダも見習ってほしいものです。
(06/09/14)

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