シングルマザー(00-1)
カナダの人口は3千万。 その中の1千万が団塊の世代です。 つまり1947年から1966年までの間に生まれたベビーブームの人たち。 中でも戦後すぐに生まれた人たちは、既に50歳代。 この最初のグループが65歳になるのは2011年です。 2030年までには、3人に1人が高齢者になる勘定。 そうした社会の変化のなかで、気遣われるのは、シングルマザーの境遇です。 離婚した女性や未婚の母が年老いてきた場合、子育ては終わっても、経済的環境が一層きびしくなっていくことが考えられます。 政府も社会もまだ答ができていません。 現在カナダで生活に困窮している人たちの中で、最も多いのが夫に死に別れた未亡人のグループ。 しかしこれからは、未亡人よりも離婚した独身女性の割合がさらに大きくなることでしょう。 年代別の離婚率をみると、ベビーブーマーが他の世代を大きく引き離しています。 1917年から26年までに生まれた人たちの間では1%。 1927年から36年までのグループは6%。 1937年から46年までは10%。 そして1947年から61年までのベビーブーマーは14%。 しかしこの14%という数字は実情とはかけ離れています。 というのは、ベビーブーマーの世代では、結婚をしないで内縁関係のまま共同生活をしているカップルが多く、そのブレークアップは、法的に結婚していた場合よりもはるかに多いのです。 それがこの統計にはあらわれていません。 こうした内縁関係のブレークアップは、子供がまだ幼い時期におこりやすく、子供に与える影響も深刻です。 シングルマザーの場合は親子の関係も緊密になるという指摘もありますが、子供が大きくなれば希薄になりがち。 ということは、その子供たちが成人しても、シングルマザーを精神的に経済的に助けることはあまり期待できません。 親としても、経済的に苦労している子供を助けてやれないことがつらいところです。 ベビーブーマーの親の世代は、経済的に比較的恵まれていますが、ベビーブーマーでも結婚がつづいている家庭では、成人した子供を経済的に助けてやる余裕があるようです。政府や社会も、今までは、家庭のブレークアップに注目しても、子供の福祉に重点をおいて政策を考えてきましたが、これからは、シングルマザーの将来をみきわめて、その苦境を軽減し、女性の職場進出を促す環境をととのえ、セーフティネットワークを整備していくことが課題となりましょう。 (2001/01/12)

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