Monday, June 13, 2005

米加移住事情(99-12)

カナダは移住しやすい国。 しかし、就くべき職が見当たらないのが問題です。 一方米国では、就労人口1億3900万というのに、このところ30年来の人手不足。 ホームレスも、引退した人も、頭の弱い人も駆り出される有様。 しかし、外国からの助っ人には、事実上謝絶の状態です。カナダは教育と技能のある移住者を歓迎しています。 若くて、英語かフランス語が話せて、大学を出ていれば、大体移住できます。 移住の審査は点数制で、44歳未満なら10点、高校卒だと10点、語学力は最高15点といった具合で、70点あれば合格。自営業や投資家には、たっぷりボーナスが加算されます。 こうして人口3千万のカナダは、毎年 200,000人の移住者を受け入れています。ところが米国の移住政策は、家族尊重の方針。 米国に親戚のいない者には、事実上移住の扉が閉ざされているのも同然です。 米国政府は、1998年 660,000人に永住権(グリーンカード)を与えましたが、そのうち476,000人は親族とのつながりで入国。 親戚なしで永住権を得たのは、77,000人。 これには、配偶者と子供も含まれますから、実態はさらに減少。 しかも半数以上は、業績のある学者とか、経営者、または有名人。 教育と技能の実力で移住を認められた人は僅か 14,000人。 抽籤もありますが、それも宝籤なみ運試しにすぎません。米国で教育をうけ、米系企業で働いた経験をもつ若い外国人でも、永住権をとるのは至難の業。米国の大学で学位をとっても、就労ビザで働けるのは、最高6年が限度。 そのビザも1年に115,000件発行されるものの、春までには割当がなくなってしまいます。 それでも現実には数百万の外国人が働いているのは、ほとんどが違法就労者だからです。 「米国経済が拡大しつづけている時に、海外の人材を迎えない法はない」という声もあるのですが、労働組合など外国人労働者との競争をきらう圧力団体や、不動尊のように頑として動こうとしない官僚制度の前では、かすんでしまいます。そこで、米国に移住するのをあきらめた人たちが移ってくるのがカナダ。 米国にくらべれば地味な国ですが、違法就労というストレスから解放され、同じようなライフスタイルをメインテインしていけます。 トロントは人口400万の都市ですが、その半分はよそで生まれた人たち。 移住者に対する反感もなく、地域社会に帰属できる安堵感があります。しかし、この高学歴のエリートたちにとって意外だったのは、自分の職歴や経験に見合う仕事が見つからないこと。 500社に履歴書を送っても、面接してくれる企業はごく僅かで、仮に面接までこぎつけても「カナダでの経験は?」と訊かれると、行き詰まってしまいます。 こうして、カナダの大都市には、有能な人材が、能力にふさわしい仕事がないまま、大勢呻吟しています。    (Source: WSJ Dec. 99)

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