Wednesday, November 02, 2005

小売業の難しさ(05-10-31)

イノさんへ

本郷の「かねやす」の由来をつぶさにお教えいただき、たいへん有難うございました。 時代は移り変わり、徳川三百年の治世もとっくに終わったというのに、一介の小間物店が、十二代の暖簾を守りつづけ、今も現存しているというのは、奇跡に近い美談のように思えます。

お忙しい中を、わざわざ故事をお調べいただいたことに驚嘆しております。 しかしこうした伝承に親しむことは嬉しいことです。 日本は、地球儀の上でこそ大きな国ではありませんが、歴史は多彩で、掘り下げの深い国。 庶民の強靭な生命力が、ひっそりと、しかし頑固に残っていることは、喜ばしいことです。

100円ショップなどもそうした強靭な生命力を示すものと解していましたが、日本では曲がり角にさしかかっているとのこと。 意外でした。 

カナダの小売店も、昔ながらのメインストリートに面した旧式の店舗が、一軒ずつ店を構えている所が、小都市ではかなり残っています。 家賃は大体月1,000カナダドルとのこと。 これが、モールに入ると、5~6,000ドルに跳ね上がり、またデパートも同居するような巨大なモールになると12,000ドルぐらいするそうです。

こうしたモールは、集客力はありますが、営業時間が、モールによって規制されるので、店によっては、店員を必要のない時間でも拘束しなければならず、オウンビジネスでも、店主が勝手に店を閉じて帰るというわけにもいかず、はたから見るほど、スムースな商売でもなさそうです。

カナダに来た時、バンクーバーにあったウッドワーズという由緒あるデパートが、「返品、喜んでお受けします。 Cheerfully refunded」というモットーを宣伝していたので、驚いたのですが、結局閉業してしまいました。 その後はホームレスの住み着く所となって、社会問題となり、未だ解決していません。 

カナダの草分け的な名門デパート、イートンも、全国の店を閉じてしまいましたが、トロントで買った品物をバンクーバーの支店に持っていっても、返品が効くというので、そうした話を聞いた時は、カナダの小売業は残酷物語だなあと思いました。

今でも、コスコ CostCo は、無条件で返品を受け付けますが、Future Shop も返品のポリシーが寛大なことで知られており、こうした大型量販店がどうやって利益をあげ、業績を拡大していけるのか不思議です。 

一方、カナダの建国の歴史よりも長い実績を誇る ハドソンズ ベイ カンパニーが、アメリカ資本の手によって押さえられそうだというので話題になっています。 アメリカの投資家は、不振の百貨店業よりも、その不動産価値に目をつけているのではないかと言われていますが、カナダの大型店もアメリカ資本の前には風前の灯火です。

バンクーバーは、11月から本格的な雨のシーズンとなりました。

シゲより   (05-10-31)

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