バンクーバーの犯罪と警察 (05-10-20)
「バンクーバーはどこよりも暮らしやすい所だと言われているが、地理的環境もいいし、気候も良い代わりに、犯罪も多いそうじゃないか」
「まったくそうなんだね、統計によれば。 カナダで一番犯罪の多い都市はウィニペッグだが、バンクーバーは二番目というかんばしくないレッテルを貼られている」
「何故だろう」
「犯罪のルーツは麻薬だ。 バンクーバーもほかの大都市と同じような犯罪を数多くかかえているが、ここの特徴は何と言ってもマリファナなどの麻薬だね。 銀行強盗に、『何故銀行を狙うのか』と訊けば、『金があるからだ』と答えるだろう。 それと同じで、バンクーバーには、麻薬がふんだんにある。 だから全国から麻薬患者が惹き付けられてやってくる」
「住みやすい所に人が集まるという点ではカナダのロスアンゼルスだね。 気候もいいし、暮らし易い所だからな」
「しかし麻薬患者も金が要る。 アル中も多い。 だから窃盗や強盗などの犯罪が増えるのも当たり前だ」
「その対策に効果的な手立ては何だろう。 やはり警察の増強かな。 でもバンクーバーは、市民と警察官の数の割合が多いのだろう?」
「それは数字の上ではそうだが、郊外も含めるとバンクーバー全域の人口は200万。 その中でバンクーバー市の人口は50万だ。 それを単純に警官の数で割れば、たしかに大抵の都市よりはよく見えるわけだが、50万というのは、都心部のバンクーバー市に住む人の数。 犯罪の多発する地域は44平方マイルだ。 日中は郊外から通勤してくる人が多いし、夜は夜でナイターやナイトクラブを始め、イベントが盛んだから人が集まってくる。 だから実質100万というところじゃないか。 そうすると、警官対市民の割合も変わってくる。 エドモントンやカルガリーのように、郊外も含めて一つの市になっている所とはちょっと事情が違う」
「モントリオールも、都心部に集まる人の数と、実際にそこに住む人の数とでは開きがあるから、バンクーバーと似たような問題を抱えているわけだな」
「バンクーバー市の警察も、プロフェッショナルな警官としての質は良好だし、検挙率も高いのだが、日夜時間と場所によって膨らみ方が違う市街地を対象に、そこで起こる犯罪を全部ひっくるめて対応するには手薄な恰好だ」
「だから市の警察長官としては、犯罪都市第二位の汚名をそそぐためには、警官の数をもっと増やしたいと望んでいるのだが、バンクーバー市長も同じ意見だ。 それに、バンクーバーはカナダの中でも、デモンストレーションや抗議運動の最も活発な所だからだ。 そうした市民の抗議デモに対しても警察は責任がある。 民主義を尊重しつつ、法の秩序を守らなければならない立場だ」
「それと同時に、犯罪を摘発する前に、犯罪防止に努めたいと、警察のトップは言っている。 子供が小さいうちから学校教育を通じて防犯活動を積極的にすることが、警察と政府の責任だと強調するのだが、犯罪が低下するまでには暫く様子をみる必要がありそうだな」
(05-10-20)

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