Friday, November 25, 2005

感謝祭のことなど(05-11-24)

イノさんへ

今日は、11月の第4木曜日ということで、アメリカでは感謝祭でした。 カナダでは、10月に感謝祭をやってしまうので、今日は何もありませんでした。

感謝祭というと、私にとってアメリカで最初の、そして最後となった、一回きりの感謝祭が思い出されます。 あれは1961年でしたが、コネティカットの旧家に招かれました。 前日からその家に泊めてもらったのですが、その広壮な厩舎つきの家は、どこからかパンを焼く匂いが漂ってくるかのような、鄙びた風格がありました。 

木曜日のお昼には、他の客も集まって、テーブルを囲むと、大きな七面鳥の丸焼きが出されました。 さながら、ノーマン ロックウェルの絵がそのまま現実となって展開されたような心地でした。 

昭和36年の日本は、既に相当豊かな社会になっていましたが、それでも、ニューイングランドの邸宅で、こんがりと飴色に焼けた七面鳥の丸焼きに接した時は、アメリカの豊潤な伝統の豊かさを覚えました。

翌々年の勤労感謝の日は、東京に居たのですが、ケネディ大統領がダラスで暗殺された直後でした。 新たに大統領となったリンドン ジョンソンが、「今年の感謝祭は特に感謝しなければならない」という声明を述べましたが、その言葉の裏には、深い神学的な意味があったのでしょう。 しかし表面的にしか読み取れない私には、その表現が奇異に感じられました。

私も74年の生涯を顧みて見ますと、感謝すべきことの実に多いことをさとらされます。 それなのに、どうしてこんな些細なことに腹が立つのかと、我がことながら奇妙に思われます。

ブッシュ大統領が感謝祭に合わせて、テキサスからイラクに飛び、バグダッドでの米兵達のテントに姿をみせたことがありましたが、その時は、僅か2時間半の滞在でした。 同じ日にヒラリー クリントンはアフガニスタンを訪れ、翌日バグダッドで10時間を過ごしています。 ブッシュの感謝祭の隠密飛行は何の為だったのかと思います。 

昨夜ニューヨークタイムスのコラムニストのインタビューを聴いたのですが、ブッシュは新聞を読まないようですね。 読めば、あんな実態と遊離したロジックを声高に唱えるのはおかしい。 どうもTVのニュースも見ないらしい。 カトリーナの惨状についても関心を示さなかったので、側近がTVニュースをDVDに編集して視聴を懇願したのだそうです。 安保闘争で日本が揺れたとき、「スポーツ新聞しか読まない」と豪語した岸首相を思い出しますね。 

JFケネディとも対照的です。 ケネディは若い頃新聞記者を志したこともあってか、記者に直接電話をかけてていたそうですね。 ケネディの女性関係は記者団の間では知られていたのでしょうが、それが表面化しなかったのは、記者の間で暗黙の了解があったのでしょう。

井上さんが、新聞は一番の読み物だと言っておられましたが、新聞も読まない大統領では困りますね。 NYタイムスのコラムニストによると、ブッシュは自分のまわりに遮音の壁をこさえ、直言出来ないイエスマンに囲まれているというのですが、ちょっと信じられませんね。 側近の書いた演説を暗記するのに忙しいのでしょうが、国内が混乱しているのに、アジアで、「民主主義を、人権を」と説教をしてみても、これもロジックの遊離としか受け取られないかもしれませんね。

間もなくクリスマスですが、カナダでは、来週あたり、自由党政府が、不信任投票で敗れ、クリスマスから新年にかけての選挙になりそうです。 何故野党は真冬の選挙を求めるのか。 戸別訪問でドアをノックしてまわる運動員達も、凍った雪道をペンギンのように歩きながら、「何故この時季に」と自問することでしょう。

シゲより    (05-11-24)

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