柔道と礼儀(00-1)
カナダの柔道の道場で、青い目の青少年たちが、道場に入る時、嘉納治五郎先生の写真に向かって一礼し、それからおもむろに練習を始める姿は、日本人からみるとまことに好ましいものです。 柔道六段のトレバーレゲット元BBC日本語部長が「ヨーロッパの柔道の方が日本の柔道よりもっと精神的に純粋。ちょうど日本のキリスト教がヨーロッパのキリスト教より純粋なのと同じようなものだ」と言っていました。しかし礼節を重んじるはずの日本人が、柔道の礼節は人権侵害と抗議。 郷に入っては郷を従えさせようというのか、柔道のルールの変更を求めています。米国シアトル近郊に住むジミー アキヤマ(15)とレイラニ(12)兄妹は、カナダのブリティッシュコロンビア柔道連盟を人権委員会に提訴することにしました。 理由は、1996年11月BC州アボッツフォードで行なわれた柔道のトーナメントで頭をさげて礼をすることを拒否したため失格とされたことを不服としたもの。 国際柔道連盟では、試合の前後に、お互いに頭をさげて礼を交わすことを求めています。 なお兄妹は柔道の全米チャンピオンです。 母親のアキヤママリコさんは、1994年子供たちと米国に移住するまでは、神道の信奉者でしたが、今は無宗教。 「子供がマットにお辞儀をさせられるのには反対」と、エチケットを拒否。 一家はBCの柔道から辞儀の免除を求めて2月7日BC州人権委員会に提訴しますが、米国でも同様な訴えを起こしています。 BC柔道連盟としては、「礼は宗教ではない。 相手を尊敬するのは柔道の本質だ」という立場をとっています。 国際柔道連盟の規則に反すれば制裁を受ける恐れがあり、全国大会や国際レベルの試合も開けなくなり、訓練のための限られた予算も弁護士の費用に流れるとあって、この提訴に困惑しています。宗教を理由にスポーツのルール変更を求めたのは、この日本人家族だけではありません。 ターバンと髭のシーク教徒も、安全を理由に髭を禁じているボクシングは違法と、裁判所に訴え、勝訴しています。 最近の世論調査によると、カナダ人は、将来の物質的生活の便宜はよくなるだろうが、伝統的な家族関係は衰え、人間関係も悪化し、お互いに無礼になり、車の運転をめぐるいさかいもますます増えるだろうと、悲観的です。 店で買物をして「サンキュー」というのはたいてい客の方。 「威張っている店員に不愉快な思いをするよりは、インターネットでお買物をどうぞ」というのが、最近のE-commerceのうたい文句です。 (Source: Province)

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