Wednesday, November 30, 2005

総選挙の火蓋(05-11-30)

イノさんへ

選挙戦スタートの号砲が鳴り、各政党がそれぞれの党首を先頭に走り出しました。

それにしてもクリスマスをはさんで8週間の選挙戦とは、近年、殆どの人が記憶に無いという珍事のようです。 マーティン首相も、「2月に『スキャンダル事件に関するゴメリー判事の報告』が出たら、30日以内に総選挙を実施すると約束していたのですから、何故野党もあと数週間待てなかったのかと思うのですが、野党の耳には聞こえぬ話だったのでしょう。 そして歴史を追いやる黒いダイナミズムが働いて、選良達も時期尚早とは思いながらも不信任投票に走ったのではないかと思います。

いずれにせよ1月23日に投票箱の蓋を開けてみたら、元の通り、自由党が、過半数に達しないまま、少数派政権の再登場となるだろうと、誰もが観ているのです。 むしろ井上さんの方が、オタワで渦中で翻弄される政治家よりも、遠くから距離を置いて観察しておられるだけに、正鵠を得た見方をしておられると思います。

現在のマーティン少数派内閣は、17ヶ月持ちこたえたましたが、1979年に不信任投票で敗れたクラーク進歩保守党政権の際は、9ヶ月の命でした。

仮に予想が外れて、ハーパー党首の率いる保守党が勝ったとしても、過半数は恐らく取れないでしょう。 そしてこれも少数派政権にとどまることになりましょう。

何故、自由党が勝っても保守党が勝っても、過半数を取ることが無理なのか。 それは、ケベックの情勢の為です。 フランス系市民の牙城であるケベック州では、独立の風が依然として吹いています。 現在の世論調査によると、75議席を保証されているケベック州では、次の1月23日の選挙では、60議席以上が、独立を目指すブロックケベコアによって占められるだろうという見通しです。 これが、ブロックケベコア以外の政党にとって、過半数実現のための大きな障害になっています。

天下の形勢は、大票田のオンタリオ州で決まりますが、ここは昔から自由党の金城湯池。 そこにオンタリオ出身のハーパー保守党党首が何処まで食い込めるか。 これが保守党政権実現の鍵となりましょう。

アルバータ州は、保守党の地盤。 ここで唯一の自由党議員として孤塁を守っているマクレラン副総理(女性)の運命は如何にというのも、関心の的です。

36議席を擁するブリティッシュコロンビア州は、自由党、保守党、新民主党が伯仲する三つ巴の戦場。 前回の選挙では、新民主党は2議席にとどまりましたが、今回は善戦が予想されます。

それにしても、今度の選挙は、これといった争点の無いのが特徴。 自由党が、マーティン首相の経済政策の実績を自画自賛すれば、ハーパー保守党党首は、一回の演説で、「CHANGE」という言葉を50回以上繰り返し、政権交替を切に訴えます。 

私は、これから数日の間、引越しで忙殺される見通しですし、それに、その間パソコンにも縁遠くなるかもしれません。 今度の選挙は56日と例外的な長期戦ですから、引越しが終わり、パソコンが再びコネクトされてからでも、井上さんにお伝えする話題は、何かと現われてくるのではないかと思います。

シゲより   (05-11-30)

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