Wednesday, May 03, 2006

プラウドなハーパー(06-05-03)

保守党政府も、発足してから3ヵ月。 明日5月2日はいよいよ予算の発表です。 ようやく政権として本格的な動きが始まるわけです。

保守党は、1月の選挙では、36%の得票で政権をとったのですから、国民の三分の二は、保守党に票をいれなかったったということになります。

それも、選挙前の予想では、自由党が少数与党ながら第一党になるという見通しだったのですが、投票日が間近になってから、小さなスキャンダルめいた事件がマーティン自由党政府をゆるがし、急に情勢が変転。 保守党が、漁父の利を得たと言っては言い過ぎですが、保守党の綱領が自由党に勝っていたというよりも、相手の失策に乗じて、財布を拾ったという感じが残ります。 

ところが、まだ40代のハーパー首相、過半数で勝ったが如き高姿勢で、閣僚達にも、マスコミに言質を与えることのないよう、緘口令を敷き、今まで秘密主義を守ってきました。 対外的には、首相だけが独演するワンマンショー。 そういうわけで、野党時代にはマスコミにもよく口を開き、心を開いた領袖達も、急に口をつぐんでしまいました。 イノさんが前に指摘なさった通り、ハーパーの険のある表情はそのままで、、鬼女の目元にも変わりありません。 

最近アフガニスタンでカナダ軍兵士4人が戦死したのですが、その遺体がカナダに戻ってきた時、ハーパーは、その柩が到着する様子をメディアが取材することを許さず、オタワの国会議事堂に半旗を掲げて弔意を表すことも禁じました。 ブッシュに倣って、カナダ軍の犠牲が、国民の広く知ることになるのを嫌ったからでしょう。 これも、イラクの米軍戦死者の柩の写真を禁じたブッシュのやり方を踏襲しています。

カナダ政府が前に調印した京都議定書も、ブッシュは「シラミのように」嫌っていますが、ハーパーもその「京都」調印を取り消すことにし、メードインカナダの環境基準を作ると言っています。 しかしその真意は未だ不明です。

しかし、ハーパーとすっかり意気投合したブッシュは、米加間の20年来の棘となっていた、カナダの針葉樹材の輸出問題を解決することにしました。 そして一気に歩み寄りをみせ、それまでカナダの木材業界から理不尽に米国が取り立ててきた50億ドルの課徴金を、全額ではありませんが、8割をカナダ側に戻すことで、手を打ちました。 

カナダの針葉樹材の貿易量は、米加貿易の3%に過ぎないのですが、それでも米国政府は、強力な米国の木材ロビーの圧力もあって、北米自由貿易協定の裁定や世界貿易機構の調停に反し、理不尽な行動に終始してきました。 それが、大統領と首相の気が合えば、余人をもってしては出来ない課題でも、トップの意思だけで、一刀両断、政治的解決が可能というケースになりました。 ハーパーとしては、鬼の首でも取ったような勢いですが、イノさんのエッセイを常々拝見していると、これが米国政権の傍若無人な体質なのだと頷けます。

そういうわけで、今までのところ、ハーパーのコントロールがきいて、特に失策はありませんが、マスコミを敵にまわす秘密主義は、プラウドで倣岸な印象を与えます。 これがまわりまわっていずれは国民の投票につながるのですが、有権者はどういう風に受け止めるのでしょう。 (06-05-01)

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