人生の重荷(05-12-02)
イノさんへ
ペンネーム阿部基治こと、本名岡本一正さんにお会いくださったそうで、お二人とも、お忙しい中を、貴重な時間を割いていただいて、私としては、我がことのように喜んでおります。
岡本兄も、「井上さんは素晴らしい方で、話も弾み、なんと2時間半も話し込んでしまったが、お陰でこうした素晴らしい方とお目にかかることが出来、感謝している」と伝えてくれました。
阿部基治のペンネームの由来を訊いたところ、「阿部知二に心酔していた時期があって、それをもじって自分のペンネームにした」というなかなか渋い思い入れがきっかけだったようです。
そうでしたか。 お二人とも、奥様の看病という、大変な重荷を背負われて人生を歩んでこられたという、似たような感慨をお持ちだったわけですね。
私も、最近、一人の幼少時代の友人と、Eメールの交換をするようになったのですが、彼も、奥さんが20年来の入院生活で、今も週に3回遠い道のりを病院に訪ねて、数時間見舞って来るのが日課だそうです。 彼の場合は、かつては幸せを絵に描いたような境遇だった上に、キャリアの面でも、日経に彼の名前が記事として出てくるほどの存在だったので、級友の中での出世頭と思っていたのですが、そういう意外な悩みを聞いて、胸を打たれました。 ある日、といっても20年以上前になるのですが、一人息子が自動車事故で重傷を負い、命は取りとめたものの、今度は奥さんがその看病疲れで倒れ、それ以来心の傷が癒えないのだそうです。
正田美智子さんのご婚約が決まった頃、寡言で知られるご尊父が、「あの子は無事の子でした」とだけある雑誌の評論家に洩らされたように覚えています。 「無事これ貴人」という言葉があるそうですが、なんとなく判るような気がします。 国としても、無事ということが一番で、GDPを競ったり、小さな島をめぐってきな臭い議論をおこすよりも、静かなたたずまいで、平和と国民の福祉を守ることが、島国として生きる幸せな道ではないかと思うのです。
シゲより (05-12-02)

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