Tuesday, January 24, 2006

保守党の勝利(06-01-23)

イノさんへ

8週間の長い間、雪と氷の中で行われた選挙戦も、1月23日の投票で、一応けじめがつきました。 政権は、12年続いた自由党から、新生の保守党へと交替することになりました。  そしてマーティン首相は、これを機に総理ならびに党首の地位を退くと発表しました。

新しく首相となるのは、スティーブン・ハーパー。 まだ46才ですが、トロント育ちの自称カルガリーっ子。 カルガリー大学で経済を学び、複数の政治家のもとで師事したことがあるのですが、結果的にはいずれも袂を分かっています。 かつて仕えた政治家に対抗して出馬し、下院議員となったこともあるのですが、どちらかといえば机上派のエコノミストが本領。 ですから実戦にどれだけ強いか、実力の程が不明なので、どうも謎めいた存在としてのクェスチョンマークが漂います。 

それに、「保守党」といっても、カナダの建国当時からの伝統ある保守党と違い、最近結成されたばかりの、西部を母胎とする右寄りの政党です。 もともとはアルバータで始まった政治運動ですが、進化して名前もリフォームからアライアンスに変わり、党員も増えて、右派政党としての力もついてくると、創設者のプレストン・マニングにとって居辛くなるような恰好となりました。 さらに大西洋沿岸に残っていた進歩保守党の残党も加えて、新たな保守党が生まれたのですが、それでもカウボーイの集まりとみられています。 それが23日の選挙で、一挙に第一の政党となり、政権を担当することになりました。 

といっても、過半数は取れず、マイノリティの政府になります。 カナダの議会の定員308のうち、保守党が124、自由党が103、ブロック・ケベコアが51、新民主党が29、無所属が1です。 

保守党のマイノリティ政権が1年続くか2年続くかわかりませんが、かつてのクラーク進歩保守党内閣は9ヶ月の寿命でした。 マーティン自由党内閣は、2004年の選挙の後、1年半持ちこたえました。 しかしクレチアン自由党内閣から通算すると、12年になります。 長期政権になるとどうしても綻びが出てきますが、クレチアン時代のスキャンダルに加えて、今回も財務省絡みのリークがあったことが命取りとなりました。

保守党が右寄りであるのに対し、自由党は中道左派ということになっています。 しかし、マイノリティ政権を維持していくためには、ハーパー次期首相も、野党と協調していく舵取りが必要でしょう。 選挙戦の間は、それぞれの政党が、激しく争う形をとりましたが、戦いが終われば、議会政治のルールにもどって、シビライズドなマナーが尊重されることになると思います。 事実、保守党と自由党の綱領の八割は共通しているといえます。

また自由党と新民主党も、性格がリベラルという点では兄弟のようなもの。 新民主党は、昔は社会主義を標榜していましたが、今は社会民主主義をうたっています。

ブロック・ケベコアは、連邦議会の土俵の上でケベックの独立を推進しようとするもので、カナダの連邦制度には関心がないのですが、カナダの連邦政府に税金を払っているのだからと言って、オタワでの議会活動の存在理由としています。 ブロック・ケベコアは、「保守党が政権をとれば、ケベックはカルガリーに支配されることになる」と警告を発しましたが、それはどうか。

ただ、カルガリーはカナダのテキサス。 カルガリーっ子のハーパー新首相の登板は、ブッシュ大統領の相好を崩すことになりそう。 どうもそんなイメージがちらつきます。

シゲより

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