カナダの金利はどう動くか(06-02-04)
イノさんへ
雨の合間を縫って、この辺を歩いてみると、低層、高層のアパートのあちこちで、「空室あり」の看板を見かけます。
一時は、バンクーバーの空室率は、全国でも最も低かったこともあって、人口稠密のウェストエンドで、貸しアパートのサインを数多く見るというのは意外でした。
家賃もまあまあと言えるのでしょうが、それが空室ありというのはどうしてか。 今まで家賃を払っていた人達が、同じ金を払うのなら、自分のコンドミニアムを買って、マイオウンホームのライフスタイルを選ぶ人達が増えているからでしょう。
何しろ今は、カナダでも、モーゲジの金利は安く、5%程度と、40年来の低水準です。
ですから借金してマイホームを買うのなら、今がチャンス。 家賃は払ったら戻って来ないが、それと同じ程度の支払いで、マイホームが買えるとなれば、当然の選択です。 将来値上がりの可能性も見込めます。
しかし、今は安い金利ですが、将来上がる可能性も多分にあります。 仮に 20万ドル銀行から借りてコンドミニアムを買うとします。 その金利が 5%として、25年の返済だと、毎月の元利支払いは $1,163.21 になると銀行でははじいてみせます。 しかし金利が 1%上がって 6%になれば、月々の支払いは $1,279.62。 それに固定資産税もかかります。 もし 7%になれば支払いは $1,400を超えることになります。 慎重に考えなければならない所です。
それに将来の金利上昇のトレンドは明白です。 2004年以来、カナダとアメリカの中央銀行は、それまでの低金利に終止符を打ち、バンク オブ カナダは2006年の初めまでに 6回金利を上げて 3.5%とし、アメリカの連邦準備銀行はこの 2年足らずのうちに 14回利上げし、現在 4.5%です。 しかも中央銀行は、これからも金利は上昇を続けるだろうとうというシグナルを送っています。
バンク オブ カナダは年に 8回レートを設定します。 1月末と3月初め、4月半ば、5月下旬、7月中旬、9月上旬、10月半ば、12月初めです。
アメリカの連邦準備銀行も、年に 8回レートを設定しますが、バンク オブ イングランドは年 12回です。
カナダの経済は現在好調で、財政の健全なことでも先進諸国の中ではトップの状態にありますが、それでも金利は、アメリカに強く影響されると、バンク オブ カナダは認めています。 両国のインフレーションや通貨政策も金利に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
金利はカナダドル相場の動きにも関連しますが、カナダの金利がアメリカのそれよりも低くなれば、カナダドルの平価も通常下がります。 カナダの金利がアメリカより上回れば、海外投資家は、カナダのボンドを買うでしょうから、カナダドルも需要と供給の関係で高くなります。
経済が過熱する傾向を見せたり、インフレーションが懸念されるようになると、バンク オブ カナダは、金利を上げて、景気の行き過ぎを警戒するブレーキをかけます。 そして市中銀行は、バンク オブ カナダの意向を受けて、レートの動きに連動し、最良の顧客に対するプライムレートを上下させます。
しかし、バンク オブ カナダは、固定金利のモーゲジやクレジットカードについては、直接金利を決めるようなことはありません。 固定モーゲジはむしろボンド市場に影響されます。 ただし変動金利制のモーゲジやクレジットラインについては、プライムレートと同様の扱いになります。
クレジットカードの金利は普通年率 19%です。 デパートやガソリンステーションのクレジットカードは 28%。 これは、家を抵当とするモーゲジと違って、リスクが大きいからだとされています。
大地を打つ槌が外れようとも、家や土地の値上がりは確実という神話は、カナダでも破れました。 しかし今再び全国的に不動産は値上がりしています。 現在バンクーバーの不動産価格を押し上げているのは、2010年の冬季オリンピックの夢です。 この夢がタダの夢とならない保証は無いのですが、$1,200 の家賃を $1,200 のモーゲジに乗り換えて、将来に賭けようとする人達の上に幸運の訪れを念じたいと思います。
シゲより (06-02-04)

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