Monday, February 06, 2006

ハーパー新保守政権発足(06-02-06)

「1月23日の選挙で、少数与党ながら勝利を収めた保守党が、14日後の2月6日に新政権を進水させたね」

「新議会が召集されるのは4月3日だから、本格的に海原に乗り出すのはそれからだが、ハーパー丸に乗り組んだ新閣僚は、首相をいれて27人。 40人近かった自由党時代の内閣に比べれば少ない。 ハーパー首相はかねがね『小さな政府』を謳っていたから、出で立ちに際しては、その約束を守ったことになる」

「内閣の顔ぶれをみると、圧倒的に白人男性が多いが、数少ない女性閣僚の中に、ベブ オダの名前が目を惹く。 オンタリオの二年生議員で、日系人だ。 今までインドや他の国から移住してきた一世で、.議員になり入閣した例は幾人もあったが、日系で下院議員になったのはオダさんが初めて。 だから大臣になったのも勿論初めてだ」

「ヘリテージ省という、広く文化行政を扱う大臣だが、元学校の先生で、通信行政にも通じているエキスパートだ。 野党の議員として、通信問題の委員会の席で鋭い質問をしていたが、CBCにとっても新しい日系女性のボスが頭の上に据わることになるわけだ」

「今度のハーパー政権は、少数与党だから、一年か二年もてばいい方だとみられているが、国民には、相次ぐ選挙はご免という気持がある。 ただ、保守党は、今回の選挙で、トロント、モントリオール、バンクーバーという三大都市からシャットアウトされたからなあ。 現在のカナダは、天然資源や農業を基盤とする、広い国土の国家ではなくて、産業や金融、通信、文化が大事な柱となる、都会的性格の強い国だ。 だから今回都会の選挙区で大きな穴をあけた保守党としては、次の選挙で都会人の票を挽回しなくてはならない」

「その為か、バンクーバー市で当選した自由党の前閣僚を、ハーパー首相が電話して、ひそかに鞍替えさせ、保守党の閣僚のポストを与えた。 今朝オタワの総督官邸で行われた内閣の就任式の取材に待機していた記者団は、政敵のはずのエマソン議員が、保守党の衣をまとって玄関に現われ、通商大臣としての宣誓を行ったのには唖然とした様子だった」

「秘密が完全に守られたのは結構だが、バンクーバー市の選挙区の反響は概ねネガティブだ。 長年保守に貢献してきたベテラン陣笠の面々も裏切られた思いじゃなかったのかなあ。 地元では、『辞任してもう一度出直せ』という声が強い」

「もう一つ、モントリオールも保守党ゼロの地盤だったが、モントリオール出身で選挙参謀をつとめた弁護士を、議席もないまま、重要な公共事業省の大臣に据えたのも驚きだった。 そのくせ、トロントからは、誰も新政権に加わらなかったのはどうしてかなあ」

「カナダでは、派閥による割り振りがない代わりに、地域によるバランスが求められる。 優秀な人材を豊富に持つ州では、勢い大臣になる確率が少なくなる。 地域だけではない。 都市部と地方の均衡。 それに今回最も大きな関心事は、東部と西部のバランスだった。 それに少数民族の存在も無視できない」

「1979年の進歩保守党内閣は、少数与党ながら多数党の矜持をもって、予算編成に当たった。 それが裏目に出たことを、当時既に二十になっていたハーパーさんも覚えているだろう。 その教訓を胸に、ハーパー船長は船橋から海原を見詰めて慎重な舵取りで進むのだろうね」

0 Comments:

Post a Comment

<< Home