Tuesday, February 14, 2006

政情五里霧中(06-02-14)

イノさんへ

日本でも、マスコミはオリンピック一辺倒なのでしょうか。 カナダも、ウィンターオリンピックに対する思い入れははげしく、選手の成績に一喜一憂しています。 それはいいのですが、その分だけ、ニュースの配分がかたより、政治その他の動きもあまり報道されなくなっています。 あと二週間はこんな状態が続くでしょうが、新任の大臣達も、今のうちに一夜漬けで、担当の各省幹部にコーチしてもらい、新規国会に備えて、データを頭に仕込んでいるのでしょう。

新人の大臣だけでなく、ハーパー首相自身も、メディアには、手のうちを明かそうとしませんから、プレスもストレス気味。 就任してまだ十日ですが、マスコミとの関係は荒れ模様になってきています。

カナダでも、乳幼児を抱えながら、働いている若いママさんが多いのですが、ケベック州では、一日七ドルで、デーケアに、食事つきで預けることができます。 うちの娘も学校の教師ですから、出勤前に、三才と一才の子供を預けて出勤し、帰宅する時にピックアップしています。 毎日一人七ドルずつ十四ドルで預け、しかも食事つきですから、ケベックの母親達はラッキーです。 これには勿論州政府からの補助金が出ているのですが、ハーパーさんの新しい政策がそのまま実行されると、そういう補助金付きのデーケアは存続しなくなります。 その代わり、デーケアに子供を預ける母親も預けない母親も、一律月百ドルずつの扶養手当てを貰えることになるのですが、それでお上の責任は終わりということになります。

もしこのハーパー方式が通れば、次は医療制度も・・・ということになりかねません。 ハーパーさんは、今の、万人が公平に医療を受けられる制度に批判的です。 払える人は、アメリカにでも行って、自由に治療を受けたらよいという考えです。 もしデーケアの考え方がそのまま適用されれば、健康な人にも癌の人にも一律百ドルずつ与えておいて、あとは好きな医者に行って、自費で治療して貰ったら良いというようなものです。

私は、マーティンの自由党が敗れたのは、RCMP(ロイヤルカナディアンマウンテッドポリス連邦警察)の所為だと思っています。 選りも選って、選挙の最中に、自由党から洩れたとされるインサイダー取引を取り上げて、スキャンダル事件で負傷し弱っている自由党にとどめの一発を刺したというのが、私の受けた印象です。 そして選挙が終わってみると、そのフォローアップは立ち消えとなってしまいました。 

そうかと思うと、選挙の後になってから、CBCがドキュメンタリーで、二十年前の進歩保守党の首相だったマウルーニーの、エアバス導入をめぐる、国際的汚職の容疑を蒸し返しています。 これがもし選挙戦の間だったら、保守党にとって致命的なイメージダウンとなっていたことでしょう。 

それに、保守党は、銃砲取締りの為の登録を廃止しようと躍起です。 ハーパーさんもその線で動くことでしょう。 銃砲による殺人事件が多発しているトロントで、保守党が全滅したというのも、西部のカウボーイ的保守党に反撥したものと思われます。 

ハーパーさんは、同じく保守党が全滅したモントリオールとバンクーバーからは、代わりの人物を閣僚に起用しましたが、全国でも最も大事なトロントからは、誰も取り立てようとしませんでした。 

自由党も新民主党も、国民が、相次ぐ選挙にはウンザリしていることを知っていますから、保守党政権を短命なものにすることには、気が向かないでしょう。 

そんな微妙な動きの中で、次の焦点は、誰が自由党の党首になるかということです。 今のところ五里霧中ですが、マーティンさんのカムバックという声も微かながら聞こえています。 しかし今はトリノのオリンピックにさえぎられ、政界の動きはスッポリ見えなくなっています。

シゲより

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