マッギルの箔 (99-4-00)
日本からカナダをみればバンクーバーが玄関口だが、ヨーロッパからみればモントリオールだ。アメリカからみれば、トロントかな?しかしアメリカ人は普段カナダなんて国があったことさえ思い出さない。それでも殊勝なアメリカの若者は、「ヨーロッパに留学したいのだが、お金と言葉がちょっと…」という場合、モントリオールにいい代用校があることを知っている。イギリス人も「アメリカならハーバード。カナダならマッギルなんかいいんじゃない?」とそれしか知らないようだ。ニューヨークのテレビネットワークの人事部でさえ、「マッギルってカナダのハーバードでしょう?」と一目おく。マッギルの卒業生は苦笑して「うん、まあ…」と言葉を濁す。トロント大学の人がきいたら眉を吊り上げるはずだ。たしかに数年前マクレーンズ誌が初めてカナダの大学の格付けを試みた時、マッギルがトップだった。しかしほかの大学から強硬な苦情が出たせいか、その後の番付けでは順繰りにいろんな大学に花をもたせて、マッギルの順位も下がっている。実社会では大学で何を専攻したかはあまり問題ではない。どこに行ったかという箔付けがものをいう。ヨーロッパやアメリカで仕事を探すのなら、名の知れた所の方がスタートラインでも有利だ。それに月謝が安い。いや安かった。1980年代は五百ドル。アメリカの大学が一万五千ドルしていた頃だ。今はよそに足並みを揃えてきたようだが、それでもバーゲンだと思う。
(1999-4-00)
