Monday, November 27, 2006

動き出すオタワの政局 (2006/11/27)

「オタワのテンポも最近速まっているようだが」 

「次の総選挙は来春だろうから、それまでに保守政権も陣構えを固めておきたいだろうし、自由党も数日中に新しい党首が決まるから、そうなれば、保守・自由の取組みが本格的に始まるわけだ」

「保守党政権は今年の早春スタートしてから一年近く。 議会では過半数に満たないマイノリティ政権だから、その足取りも最初のうちは危ぶまれたが、まあまあ無事に手堅く守備を守っているようじゃないか」

「ハーパー首相が、閣僚の手綱を引き締めているのはいいとしても、緘口令を敷いて、首相自身がスポークスマンとして表に立つような形になった。 しかし首相自身もメディアに対しては口を鎖したままだから、マスコミの受けは決してよくない」

「しかしメディアの論客達も、失点が少ないから、不承不承一応の合格点を与えてはいるようだね」

「今の所、国民の評価は五分五分だね。 世論調査の結果も真ん中で分かれている。 調査によっては保守党の方が1%多いこともあるから、若し今総選挙が行われれば、保守党が再び少数派政権として返り咲くくとになる。 しかし相手の自由党には、長い間党首が不在だったのだから、新党首が決まれば、それが即次の自由党政権の首相になることは大いにあり得る」

「目前に迫った自由党の党首選びには、8人の候補者が立候補しているが、いずれも優劣をつけ難い人材揃いだ。 その中でもトップを走っているのがイグナチエフだが、ハーバードの教授で国際的にも高名だ。 しかし政治の修羅場を通っていないから、政敵やメディアはその点を突いて、言葉尻をとらえようとしている」

「イグナチエフは『ケベックもネーション』と呼んで、論議に火をつけたが、『ケベックが一つの国民だなんてとんでもない』と否定していたハーパー首相も、ケベックの票を取ることが保守党の過半数獲得には大事なことだとさとって、態度を一変。 自らも『ケベックは統一カナダの中のネーション』とうたうようになった。 政敵も、憲法上の定義に触れないのならという条件で、ハーパー解釈に同調。 一応言葉のゲームとして、ここは受け流すことにしている」

「ネーションという言葉の定義が、皆判っているようで、つきつめるとどうもはっきりしない。 ラテン語の語源まで遡っても決め手がないようだ。 これはフランス語の文化と社会、四百年の歴史の大河に乗ってきた問題で、これからも討議されていかなければならない課題。 我々他国からの新参者は、暫く腕を組んで、ここは砂被りで拝見させていただくことにしましょうか」

(06/11/27)

Wednesday, November 22, 2006

水の危機 (2006/11/22)

「危機を迎えたバンクーバーの水道」

バンクーバーは今雨のシーズンです。 雨が降るからこそクリスマスツリーのような針葉樹がいたるところでスクスクと育ち、景観を豊かにしているのですが、育つのが速いかわりに、根が浅いので、ちょっと風が吹くと、亭々とした巨木が簡単に倒れます。 家に倒れて屋根をこわしたり、路上の車を直撃するなど、被害がひろがっています。

この国は、天災に弱く、ちょっと風が強いと「ストーム」、雪がコンコンと降ると「ブリザード」ということになります。 11月は雨の月ですから驚いてはいけないのですが、今年は何ヶ月も快晴が続いた後だったせいか、一度降りだすとなかなか止みません。 こちらの人にしてみると「集中豪雨」。 太平洋から蒸発した湿気の塊りが、東に流れてロッキーの山壁に当たり、そこで雨となって平地を潤します。

今年の秋は、その量がちょっと多かったので、山肌に降った雨が、土砂を崩し、川から貯水池に流れこみました。 その濁流のため、水道の水が薄いコーヒー色となってしまいました。

モントリオールの水は、五大湖から大西洋に流れるセントローレンス川の水を汲みあげるので、強力な消毒が必要。 鼻の悪い私でも、水道水にはきつい薬品の匂いが鼻腔をつきました。 ですから我々も、ディスティラーを買って、水道水を蒸留して、飲料水や料理に使っていました。 

バンクーバーに引っ越してきても、その習慣は続き、早速新しいディスティラーを買い求めました。 すると店員は、「バンクーバーの水はきれいなのに、どうして?」と不審な顔をしました。 

しかし、こういう事態になると、ディスティラーは重宝です。 スーパーや量販店では、ボトル入りの水が数分間で棚から消えてしまいました。 

茶色い水を飲んでも生命には別段支障はないそうですが、コーヒーもお茶もそのままでは沸かせません。 スターバックスもお手上げで開店休業でした。 一番困ったのは、ホテルやレストラン。 汚れた水でお皿を洗うわけにはいきませんから、大量の水を沸騰させておいて、それを冷ましてから洗うわけです。 これも天災に弱い意外な泣き所を曝しだすことになりました。 

雨はその後も引き続き降り続いています。 水道の水が安全な状態に戻るのに、あと数週間はかかるだろうと、役所やメディアは注意信号のメッセージを流しています。 (06/11/22)